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2024 .05.19
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坂井七段、碁聖獲得おめでとうございます。現在日本碁界最強と思われる張栩さんからのタイトル奪取ですし、29年ぶりに関西棋院に五大タイトルの一角をもたらしたという意味でも大きなことを成し遂げてくれました。もちろん坂井七段自身としても大きな出来事だったでしょう。

今日は今や関西棋院の双璧である結城九段、坂井七段の碁をとりあげます。
序盤は坂井七段らしからぬ立ち上がりですね。終始石が下にいくイメージがありますが、本局では意欲的な布石です。 ただ、個人的な好みで言えば黒の方が好みです。後手とはいえ、黒21で6が大幅に弱体化され、逆に黒は大きく地を 確保しながら厚い形になっています。しかしあえて言えば、黒19とノビた石の働きが白2によって制限されていることも 見逃せません。やはり実際はいい勝負なのでしょう。
白34までで下辺の白地が確定しました。約50目ほどの地になるようです。 その後、左上で小競り合いがあった後に白は52と打ちましたが、解説によるとこの手が少し緩着だったようです(坂井九段はB、 解説の森山九段はCと打つべきだったとしています)。私には立派な一手に思えますが、プロの感覚は繊細ですね。
69から、右辺の白二子に対する攻めが始まりました。77までとなった時、H15にアテて上辺を荒らす手段と K12に押さえ込む手が見合いになっていて白が苦しそうに見えます。
しかし、筋っぽく映る黒79が白80の強手を呼び寄せ、 結局切った黒が取られてしまいました。解説によるとこの流れ、確かに白が望外の利を得ましたが冷静に見ると黒の優位は 変わらないそうです。攻めていた右辺からの石が助かったのは痛いですが、先手で103を打った上にシメツケが利くでしょうし、 最大の大場である105にまわることができたので大きな損失とは言えないのでしょう。

ちょっと寄り道です。山陽新聞では関西棋院第一位決定戦の棋譜を掲載する際、一局につき9、もしくは10譜に分けます。 大方の掲載構成としては1~3譜で序盤を、4~8、9譜で中盤、最終譜で全手順を載せたまとめとなっています。 終盤、ヨセについては最終譜の一つ前で言及することもありますが、わりと素通りする印象です。さて、本局も例によって 10譜構成です。序盤と中盤の境目がわかりにくい碁ですが、5譜あたり(白52のあたり)からが中盤でしょうか。そして 5、6、7譜で右辺から上辺にかけての中盤の攻防を解説しています。さて8、9、10譜が残っているわけですが、 こうなると8、9譜がヨセということになりますね。個人的にはこれは比較的珍しい構成だと思います。これはヨセで なにかしら波乱があったことを暗示しますよね。

寄り道を終わって、棋譜に戻ります。黒171まで順当にヨセた後、白が172ハネ込んでコウが始まりました。終盤時間が無い中で 唐突にこんな手を打ってこられたら動揺して大損してしまいそうですね。黒はすぐにコウを解消しますが、175でコウダテを 受けると(bの手順)黒のコウダテがなくなります。黒は最善の対応をして損を最小限の2目に食い止めました。 黒もさすがですが、白もさすがに鋭い手を打つものですね。数えて黒の4目半勝ちです。
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